
仕事でミスをしてしまった。インシデント怖い。もう看護師辞めたい…。
今日はこんなお悩みを解決していきます。
私も大きい病院で約5年勤めていましたが、自分のミスが患者さんの命に関わることが怖くて何度も逃げ出したくなったことがあります。

- うっかりミスと脳の関係
- うっかりミスを減らす方法
- ミスして落ち込んだ時の気持ちの整理の仕方
- ミスで看護師辞めてもいいの?
実際にインシデントレポートを書いていると「なんでこんなミスしちゃったのかな…」とかなりへこみますよね。
しかし「これからどうしたらいいのか」と、ミスと向き合えている人は必ず改善策が見つかります。
人間は誰しもミスをします。
うっかりミスは対策ができていないだけです。
この記事でうっかりミスが起きてしまう脳の関係と、それを防ぐ方法を知っていきましょう。
それでは始めます。
【ミス辞めたい!】看護師がうっかりミスを減らす方法

うっかりミスを防ぐには、安全な手順をルーティーン可させることが重要です。
考えなくてもその手順ができる状態のことです。
安全な手順をルーティーン化することがうっかりミスを防ぐ理由は、脳が覚えられる容量が関係しています。
うっかりミスと脳の関係
脳にはワーキングメモリ(作業記憶)と呼ばれる、一時的に記憶を留めておく機能があります。
例:本を読んだ時に前の文章を覚えているから続きが読めますよね。この覚えている機能が脳のワーキングメモリです。

聞き慣れない単語なので難しく感じるかもしれませんが、重要なことなのでよく読んでみてくださいね。
ワーキングメモリが覚えられるのは4−7個と言われていて、古いものはどんどんかき消されていきます。
「注意しなきゃ」と思うことで、ワーキングメモリは一つ使っている状態です。
正しい手順を何も考えなくてもできるようになる=ルーティーン可することで脳のワーキングメモリを消費しない状態になり、脳のメモ帳には余裕ができます。
その結果、他のことにも注意ができるようになります。
他のところにも注意が行くので、全く予想していなかったところでのうっかりミスがなくなるというわけです。
デキる上司にうっかりミスがない理由
上司でミスをしない人っていると思いますが、ミスをした人からみたらすごいですよね。
ミスをしない理由は「仕事に慣れているから」「慣れていて余裕があるから」どちらの理由も正解です。
正確に言うと、正しい手順がルーティーン化されて脳に余裕が出来て多くのことが見れているからデキる上司はミスしないということです。
従ってうっかりミスをなくすには、脳のメモ帳に余裕を持つことがミスを防ぐことに繋がります。
看護師の仕事で活かせるミスを減らす方法
他にもミスを減らす方法としてこのようなものがあります。
大事なことは、自分の記憶(脳)は忘れるものだと思って対策しておくことです。
- メモ、やることをリストに書いておく(頭で考えない)
- 自分の作業場の整理をする(不必要な情報を頭に入れない)
- 外部記憶補助を使う
外部記憶補助とは、記憶を思い出すきっかけをつくってくれるもののことです。
例・タイマーで時間を設定しておく
・家を出る時に忘れないように、玄関の取っ手にひっかけておく
頭の中でやることを全て記憶するのは限界があります。
「人間は忘れる生き物だ」ということを常に頭の隅においておきましょう。
- 脳のメモ帳(ワーキングメモリ)には覚えられる限界がある
- 必死になることでワーキングメモリは消費される(他に注意ができなくなる)
- 安全な手順をルーティーン化することで脳への負担を減らし、全体が見れるようになる
今まで書いてきたことは全部は覚えられていないと思います。
それが脳のワーキングメモリの限界です。
自分の記憶を過信せずに、うっかりミスを減らす方法を試してみてください。
ミスをして看護師辞めたいと思った時の「気持ちの整理の仕方」

人間だれでも失敗はあります。特に看護師の仕事は、多重業務すぎてミスが起こりやすい現場です。
でもミスした時ってものすごく落ち込みますよね。
そんな時に気持ちを整理する方法として、紙に書いたり誰かに聞いてもらったりして整理することが重要です。
悩みは”目で見る”ことが大事な理由
気持ちを整理する時に「文章に書く・話す」が大事な理由は、感情に優先順位をつけることができるからです。
悩みを外に出したり、文章に書いて見てみることで漠然とした辛い気持ちを整理することだできます。
落ち込んだ気持ちの整理の仕方
悩みを書いて、気持ちを整理する時の方法はこちらです。
- 今悩んでいることを書き出す
- 自分にはどうしようもできないことは✕する
- 自分が今やることだけを考える
例えば、仕事中に何かインシデントが起きてしまったとします。
頭の中はこのような気持ちでいっぱいです。
インシデントを起こしてしまった。上司に怒られた。
レポートを書いていたら帰るのが遅くなってしまった。
患者さんに迷惑をかけてしまったし、自分は仕事ができないんだ。もう看護師辞めてしまいたい…。

この気持ちを書いてみます。
- インシデントを起こしてしまった
- 忙しくて確認する余裕がなかったからミスした
- あの時あれをすれば起きなかったのかな…
- 上司に怒られて辛かった
- 患者さんに迷惑をかけた
- 仕事に行くのが辛い
- ミスをするのが怖い
- もうミスと隣合わせの看護師辞めたい
上司に怒られるのも辛いし、患者さんに迷惑がかかるのも辛いです。
どれも自分を落ち込ませる理由ですが、今優先すべきは今自分ができることです。
患者さんに迷惑をかけて必要な処置がある場合はもうすでにやっていると思います。
上司が怒ってくることは自分ではどうしようもできません。
従って今できることは「ミスをした理由」と「今後の対策」を考えることです。
見える化することで気持ちの整理がつき、次につなげることができます。
ミスをして「もう消えたい・・・」と思う気持ちで終わりにせず、失敗は次につなげましょう。
「ミスが怖くて看護師辞めたい」と思った時の対処法

確かに一歩間違えれば患者さんの命に関わる仕事です。
責任の重さに辞めたくなる人も多いと思います。
自分で義務をつける必要はなし
結論としては、辛い時は無理して働き続ける必要はありません。
「看護師だから経験を積まなきゃいけない」「ここで働き続けないと経験が積めない」なんてことはありません。
どの仕事でも自分の力になります。
せっかく苦労して取得した国家資格なので、自分の苦手な分野を避けて看護師を続けるという方法もあります。
- 苦手な分野を避けて看護師を続ける
- 本当に辛い時は無理して働き続けない
「辞めちゃいけない」「続けなきゃ」「看護師やり続けなきゃいけない」と、自分に義務付けることはより心を辛くします。
無理して頑張っている人ほど、自分のSOSのサインに気づきません。
休憩したほうがいい人の特徴を紹介していきます。
休憩した方がいい人の特徴3つ
休憩した方がいい人の特徴として「疲れ・痛み・炎症、微熱」のどれかが現れている人のことをいいます。
この3つは、精神的に負荷がかかりすぎた時に体からでる3大SOSです。
1万人超を救ったメンタル産業医の 職場の「しんどい」がスーッと消え去る大全 (大和出版) という本の中で紹介されています。
直接的に熱があるというわけではなく、なんとなく下痢が続いたりお腹がキリキリするのも炎症や微熱のうちに入ります。
- なんとなく体の不調が続いている(疲れ・痛み))
- 元気がないときが続く(疲れ)
- ずっとイライラしてる(炎症・微熱)
なぜこの3大SOSを知っておいてほしいかというと、自分のメンタルの健康は自分しか守れないからです。
日本人は「まだ頑張れる」とか我慢強いことが良いと考えている人が多いですよね。精神的に不健康になったときの認識が足りないとも言えます。
本の中でも、メンタル産業医として受診する人の多くがかなり重症化してから受診すると書いてあります。
続けることにこだわらず、疲れたら休憩しましょう。
もしこの本の続きが気になったら、 悪口ばかりな看護師との職場での付き合い方 も読んでみてください。
看護師の中に一定数いそうなグレーな潰し屋の話も紹介しています。
休憩したら看護師戻れない?
確かに、看護師にとってブランクは怖いですよね。
例えば半年以上採血をしなかったら、半年後に採血するのはものすごく怖くなると思います。
ただ、看護師はどの職場を選ぶかによって今やっていることが役に立ったり職場によっては新しいことに挑戦する場合もあります。
ブランク明けのはじめのうちは中々感覚がもどらないと思いますが、一度経験したことは中々忘れません。
これは7ヶ月間ニートをしてからクリニックに再就職した私の経験談です。
辛い時は一度休んでもどうにかなります。
医療行為がない職場だって選べるし、ブランクがあっても研修制度がある看護師の職場も多くなっています。
今より給料は落ちるかもしれませんが病院以外だってたくさん看護師の仕事はあります。
自分がどこで仕事をするか、どんな仕事をするかは自分で選べます。
自分で自分の心を窮屈にしないようにしましょう。
ミスは自分の力にしましょう。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
ミスは誰でも起こり得ることです。
ミスしてしまったことは仕方ないので、自分の気持ちを整理しつつ次につなげていきましょう。